愛情を生んだ理由など

遥か昔に
既に散って消えた
無意味で
価値の無くなったもの

溢れる事も無かった
寧ろ枯渇するのを待って
あるべき筈の意味を
葬ってしまっていただけ

憎悪は芽生えたりはしない

ただほんの刹那
この眼が向いた先に
それが在っただけで
多分

多分、
消えたりはしない筈で
ただ生まれ続ける感情に
負けたりはしない

曖昧な言葉に惑う

たかが少し怪我した位で
泣きそうになる自分を
せめて自分の手で
せめてあの時この場所で

殺しておきたかった
でないとまた
無意味な愛情と憎悪が
生まれてしまうから

多分手遅れなんて無い
運命など最初から
信じてなかった
自分の過去を拭い去る
力はあった

まだ一人で歩いてゆける


070612