気付いていなかった
見落としていたのだ
視界が狭すぎたのだ
井の中で溺れている

這う言い訳は責任転嫁
泳ぐ構想は積み重なる

理想論は雨粒に消える
いつまでもわたしは
怯えていることに
気付いていなかった

錆び付いた声が軋む
大丈夫か尋ねても
大丈夫、大丈夫じゃないから
永遠に危惧していて

弾ける普遍が静かに
不透明に響く
百の反響に泣いて
十八年振りに一歩踏み出す